こんにちは!NOVEL代表の裵(ぺ)です。
今回は12月3日にNOVEL主催で大分県別府市にて開催した「ビジネスデザイングランプリ温泉」のレポートをお届けします。
ビジネスデザイングランプリ温泉は、学生と経営者が裸の魂で、ビジネスや働く価値観をぶつけ合うセッションプログラム。
「働きたい社会をつくる」ビジョンを掲げるNOVELは、果たして少しでもビジョン達成に近づくことができたのでしょうか?
それでは、いってみましょう!
目次
1.ビジネスデザイングランプリ温泉について
・開催地について
・イベント概要
2.本編
・第1の湯(経営者が審査!)
・第2の湯(学生が審査!)
3.振り返り
1.ビジネスデザイングランプリ温泉について
開催地は日本有数の温泉地、別府市!
今回ビジネスデザイングランプリ温泉にご参加いただく学生は、立命館アジア太平洋大学(APU)の在学生たち。APUは、別府湾の絶景を見下ろす標高300メートル級の山の中腹にキャンパスを構える、国内屈指のグローバル大学。全校生約6000名のうち、2人に1人が国際学生、国内学生の約80%は九州地方以外からの入学者です。
THE世界大学ランキング日本版2022にて「国際性 全国1位」「総合順位 5年連続⻄日本私立大学1位」「総合順位 全国私大5位」に輝いた、語学/国際力に優れた大学です。
ことの始まりは株式会社IDMとの出会い。IDMはAPU卒業生が別府市へUターンし設立した別府市密着のベンチャー企業です。同社が運営する、APU生に一番寄り添う団体「W(ダブリュー)」では、はじめて親もとを離れ別府市で生活する学生たちに対して「遊びと学びの機会」を提供することで、APUでの充実したキャンパスライフを応援しています。
Wの「学生に起業やビジネスに関する学びの機会をつくりたい」という思いに共感しまくった私は、早速別府市内とAPUを視察。会社の金で温泉に入りまくり、2ヶ月後にイベントを開催しました。
イベント概要
ビジネスデザイングランプリ温泉は、
仕事を、ビジネスを、働くことを“おもしろい”と思えるために、
別府の熱湯のごとく熱くぶつかり合い、心の背中を流し合い、
学生と経営者が垣根を越えて理解し合い、
模索し合うセッショングランプリ形式のプログラム。
企業は学生の「事業アイデア」を審査し、
学生は企業の「ビジョンやビジネス」を審査。
男湯女湯入れ替わりのごとく審査員が逆転する、
のれん架替えシステムの2湯制グランプリです。
なぜやるのか?
「働きたい社会をつくる」ビジョンを掲げるNOVELでは、「ドーピングしない採用支援」をコンセプトに、人と企業の本質的なマッチングを追求した採用コンサルティングを行なっています。
世の中から望まない早期離職を減らし、
前向きに働きつづけられる社会をつくるためには、
①これから社会に出る学生
②すでに起業している経営者
③これから起業する経営者の卵
以上の3者が交ざり合う空間を生み出すことが、
未来に働く誰かに対して高い価値を与えられるのではないか?
そんな真剣な思いからイベントを開催しました。
ということで、本編スタート!
2.本編
第1の湯♨︎
経営者が審査!
「どのビジネスが燃える?」事業アイデア部門の湯
学生が持ち込んだ事業モデルを、3名の経営者が審査。
グランプリ形式なのできちんと勝敗をつけますが、事業計画のさらなるブラッシュアップと事業成功に向けての後押しと応援も目的にしています。
“審査基準”
1.独創性
2.成長性
3.地域貢献性
4.収益性
5.プレゼン力
6.熱意
プレゼン当日までの準備期間は1ヶ月ちょっと!タイトなスケジュールの中(ごめんなさい)、自慢の事業をひっさげて参加してくれたのは、APU在学生の3名!
第1入浴者:間瀬 圭一朗さん
別府市密着のレンタルバイク事業「K’s Bike」
父と自分の絆を形づくったバイクツーリングの感動を原体験に、「レンタルバイク事業」を別府市で起したい!バイク乗りの聖地「やまなみハイウェイ」という名スポットを内包しながらも、競合他社が参入していない別府市にビジネスチャンスを見出している。周辺観光業とのタッグで交通的に強みを発揮。来春WEBでのテストマーケティングを控えるイキの良い事業!
経営者によるフィードバックはこちら。
裵:間瀬さんの熱いバイク愛がひしひしと伝わりました!しかし業界大手が別府市に参入しないことには、見込み客が少なく商機が薄いなどのネガティブな理由があるのでしょう。競合他社が少ないという点以外での「K’s Bike」ならではの優位性もブラッシュアップの余地がありそうです。
今村:試算表に広告宣伝費が組み込まれていませんでしたね。未開拓のtoCビジネスを起こすうえで、特段の策がないのであればマーケティング予算は欠かせないのではないでしょうか。特にレンタカーなどと比較すると、バイクは移動手段ではなく趣味趣向。リードに繋がる愛好家への認知がキーポイントとなるので尚更です。
岩元:利用者層を広げるため、別府ですから外国人観光客などを対象とするとして、免許の制限なく楽しめる電気自転車を提供すれば、観光業としては手堅いニーズがあるかもしれません。本来の趣旨から大きく外れる提案かもしれませんが、利用者がいなくてはビジネスは成立しませんからね。
第2入浴者:廣瀬 大地さん
温泉と地元の飲食店を繋ぐプラットフォーム「ゆっぷべっぷ」
千葉県出身ながら並々ならぬ別府温泉愛を沸かす廣瀬さん。廃業が相次ぐ別府市の温泉地を救うべく、顧客を求める飲食店と、人を呼び込みたい温泉を繋ぐプラットフォーム「ゆっぷべっぷ」を運営。収益性などの課題や今後の展開をプレゼン!
裵:資料が抜群に見やすく、落ち着いたトーンで筋の通ったプレゼンは非常に好感触でした!
今村:地域経済活性化という点では、外貨の獲得がキーポイントになると思います。地元の共同温泉で実施したテストマーケティングでは低価格な商品販売が主でしたが、地元住民が通わない高級温泉を訪れるハイレイヤー層に対してハイコストな商品を販売する方が収益性は見込めますし、その方が廣瀬さんが考える「地元の飲食店を活気づける」というミッションは叶えられるかもしれません。
岩元:地元温泉の収益源は入浴料に限られていますから、来場者を増やすイコールよそ者が増える、つまりコミュニティが壊される点について心中が穏やかでない地元住民の反応も課題となるでしょうね。また、アンケート結果ではポジティブな意見が多かった点は素晴らしいですが、同じ商品ラインナップで顧客満足を維持することは難しいため、大分県に限らず九州全域、はたまた世界中からバラエティ豊かな商品が提供できれば、ビジネスとして息継ぎがしやすそうだと感じました。
第3入浴者:田中 盛尊さん
クリエイティブ制作チーム向けのグループウェアWerpの開発
自身が設立した制作会社でのクリエイティブワークで痛感した「制作現場におけるコミュニケーションコストの無駄」を解消すべく、圧倒的UIを強みとするグループウェア「Werp」を開発中。自信と根拠に満ちたプレゼンには、純粋に「投資したい」思いが芽生えるほど。史上最年少IPOを目指す田中さん。経営者陣からのキラーパスにも涼やかな顔で受け答えする堂々たるプレゼンでした。
裵:これ欲しい!クリエイティブを生業としている会社目線で見ても、純粋に欲しいと思えるグループウェアです。私自身も制作プロジェクトにおけるコミュニケーションコストの無駄は日々感じていますので。気になるのは導入ハードル。進捗状況をクライアントへ100%可視化してしまうことを嫌う制作会社は多そうな気も(田中さんは既に対策は打っているとのこと)!ご本人が経営する会社がミッションとして掲げる“「いつかそうなる」 を、いまつくる。”を体現できている事業だと思います。
今村:市場ニーズにもマッチした完成度の高いソフトウェアですね。ベンチマークサービスとの優位性としてUIを挙げていましたが、導入〜実務まで、現場に寄り添った使いやすそうな商品設計だと感じました。あと、同世代からの質問に対する「学生目線」に噛み砕いたわかりやすい説明。言語化能力も高い!
岩元:動画制作会社等を中心としたクリエイティブチームを相手取ったビジネスモデルですから、現在利用中のAWSではデータ容量上、利用料金を維持することは困難になるかもしれませんね。また東京都心のSaas界隈の金額設定と比較すると、かなり良心的な金額だと感じました。このクオリティならもっと上げられるのでは?ってレベルのクオリティです。
三者三様、素晴らしいプレゼンでした。発表後、経営者からは鋭い意見もありましたが、スポンジのように素直に吸収してくれたり、予想を超えるアンサーが貰えたり、「APU生(というかこの3人)、優秀すぎない?」と震えっぱなしでした。
さてさて、ここでのれんを架け替えます!
第2の湯♨︎
学生が審査!
「どの会社に共感する?」企業ビジョンの湯
今度は打って変わって、3社の経営者が自社の魅力をプレゼン。
経営者はこれから社会に出る学生の意見を聞きながら、考えをぶつけ合い、本当に働きたい会社、働きたい社会を目指す糸口を見つけていきます。審査を行うのは第1の湯入浴者だけでなく、グランプリの観覧学生も合わせた計20名ほどの皆さま。
“審査基準”
1.企業のビジョンやアイデンティティ
2.ビジネスのキモ
3.メンバーの魅力
4.会社の面白さ
5.会社の強み
6.会社の弱み
マーケティング・IT・HR、3つの業界からベンチャー3社が揃い踏み!
僕も出てみました(裵)
第1入浴者:ロックシステム 岩元さん
「ブラック企業をやっつけろ!」をスローガンにシステム開発事業を展開するロックシステム。ビジネスモデル的に難しいとされてきた“残業ゼロ”を創業以来ずーっと継続し、ホワイトな環境を整えることで優秀なITエンジニアの採用に成功。ここ5年で「30名弱→100名超」と破竹の勢いで拡大し、業績を伸ばしているIT企業です。伸び盛りの会社であれば自社の魅力をペラペラと喋りたそうなところですが、岩元さんはいつも通り「ウチのことなんてどうでもいいから、大手に就職しなさい!」と一貫したメッセージを発信してくれました(笑)それでも毎年ロックシステムに大勢の新卒生が集まるのは、「プログラミングを楽しむ文化」がどの会社よりも滲み出ているからなのかも。文系学生が中心のAPU生たちにとっても、「ITって面白い!」という声が上がってきたプレゼンでした。
第2入浴者:ナウビレッジ 今村さん
デジタルマーケティング領域で急成長を遂げているナウビレッジ。アメリカの大学での寮生活経験をもつ今村さんにとって、国際色豊かな環境で生活を送るAPU生には親近感を感じたそう。デジタルマーケティングの力を磨き業界切っての成長企業へと導いた(株)UZUZの創業と繁栄のストーリー、その後新たに立ち上げたナウビレッジのパーパスや従業員への思いを語ってくれました。少年のようにマーケティングの面白さを語るプレゼンは、マーケオタク今村さんの脳を直接覗き込んでいるよう。マーケ志望もそうでない学生たちも興味津々の様子でした。観覧学生からは「ぜひAPU内でリクルーティングしてください!」と熱いメッセージをGET。自社の弱点として「自分たちのオフィスがなくパラサイト状態」と自虐していた今村さん、イベントの2ヶ月後には新オフィスへの移転を完了し無敵状態に突入!(おめでとうございます!)
第3入浴者:NOVEL裵(ぺ)
「働きたい社会をつくる」ビジョンと「働きたい会社をつくる」ミッションを掲げて奮闘するNOVEL(ノーベル)。BDG温泉も、この基本理念を体現するために企画したイベントです。美しく耳ざわりのいい言葉だけど、実はすごく泥臭い仕事をやっている会社なので、夢見がちな入社希望者のギャップを埋めるために行なっている工夫、「なぜやるのか」の言語化や可視化の大切さ、クライアントワークにおいては「ドーピングせずに企業の魅力を最大化する方法」などを中心的にお話しました。
ビジネスモデルも考え方も全く異なる3社による発表が終了!
プレゼン中のチャットコメントでは、
・最近流行りのフリーランスエンジニアをどう捉えていますか?(toロックシステム)
・今ホットなデジタルマーケ媒体は何ですか?(toナウビレッジ)
・メンバーが意思統一できる共通言語って大切だと思う!(toノーベル)